有酸素運動に必要な強度は?

有酸素運動はどれくらいの強度で行えばよいのでしょうか。適切な運動を行うための目安に
ついて考えてみます。有酸素運動の強度は三つのレベルに分けることができます。

 

最も楽なのは「有酸素ゾーン」で、心臓と肺は筋肉に十分な酸素を送ることができます。一番
苦しいのは「無酸素ゾーン」で、筋肉は血液から酸素を得ることが出来ません。その中間が
「閾値(いきち)ゾーン」で、筋肉は酸素不足になり血中に乳酸が急速にたまっていきます。

 

実際のトレーニングにおける目安として、70%を有酸素運動、20%を閾値、10%を無酸素
運動に割り当てるという方法があります。但し、これはトップアスリートのトレーニング内容
なので、トレーニングの目的や個人のレベルに応じて変える必要があります。

 

運動がどのゾーンにあるかを知るための方法として、心拍数を測ってトレーニングに役立てる
という方法もありますが、この方法にも限界はあります。一番簡単なのは、本人の「運動強度
の自覚」です。これは簡単ですがほぼ信頼できます。

 

また、「トークテスト」も役に立ちます。運動中、まとまった内容の会話がちゃんとできれば、
その運動は有酸素ゾーンです。呼吸が激しくなり短い言葉しか話せないのは、閾値ゾーンです。
一言か二言しか話せないのは無酸素ゾーンです。

 

これらを目安にすれば運動の強度が判断できます。一般にアスリートは頑張りすぎる傾向が
あると言われています。アスリートに限らず運動を行う場合には、運動の強度を確認することに
より、過度な練習や軽すぎる練習を避けることができます。